「少尉、今日食事でもどうだ?」
「あー今日は隊の奴らと呑みに行くんで、スンマセン!ってか大佐もいっしょにどうですか?」
「そうか…せっかくのお誘いだが私がいたのでは隊員達が緊張してしまうだろう。またの機会にするよ」
「そうっすか…あ、大佐もまた誘ってくださいよ!ってか今度うちにまたメシくいにきてくださいって」
「ああ、そうだな。ではまたな」
「はい。ちゃんと仕事してくださいよ」
パタン。
「…ハボ、お前なあ…」
「んだよブレさん」
「つーか別に隊の奴らとなんていつでも呑みにいけるだろうが。大佐は“お前”を誘ったんだぜ?」
「わーってる」
「わかってねえだろ、あのひとは」
「ストーップ!ストップだブレダ。もう一度言うぞ。俺は“わかってる”んだ。」
「…じゃあ」
「わかってんだよ、こんな寄り道したらあの人がどこかで後悔することも、な」
「お前」
「心配しなくてもいいんだ、俺は何があってもあの人から離れない。何があってもだ」
「っていつまでだよ」
「お前こそわかってんのに聞くな。あの人が大総統になったらだよ」
「…お前馬鹿だろう」
「うっせ」
「心変わりされてもなぐさめてなんてやらないからな」
「だからブレダ。いい加減にしろよ、何度言わせるんだ。わかってるんだ」
見下ろしてきた瞳はガラス玉みたいな青。
狂人のそれと同じ色で親友はは囁いた。
「わかってるんだ、この先あの人は俺だけ好きでいる。だから俺は」
「あの人が、あの椅子を手に入れて」
そうして初めて恋をする
彼が狂信の瞳で信じる以外の未来の可能性を告げることは、恐ろしくてできなかった。
この記事にトラックバックする